予防歯科とは
予防歯科とは、虫歯になってから治療を行うのではなく、虫歯になる前の予防を大切にすることを指します。
虫歯は治療できますが、虫歯部分を削り、詰めもので埋めて修復しているだけであり、完璧に治しているわけではありません。
一度虫歯治療をした箇所の詰め物や被せ物が劣化したり、口腔ケアが不十分だったりすると、再び虫歯になる「二次カリエス(二次う蝕)」として再発する可能性もありますし。歯を失うことで生活の質(QOL:クオリティオブライフ)が下がってしまうこともあります。
そうならないためにも、正しい知識を身につけ、生涯を通じて歯をトラブルから守り、管理する「予防歯科」が重要なのです。一生、健康な歯とお口でいるために「予防歯科」をはじめましょう。

詰めものは経年劣化するリスク
詰めものは年数が経てば劣化することもあり、寿命があります。
また虫歯菌は完全に口内から無くすことはできず、治療を行っても再び虫歯や歯周病になるリスクがあります。
銀歯はだいたい3年から5年、レジンで5年といわれています。個人差はありますが、セラミック製の詰め物は10年から20年の耐久期間が目安です。
歯を失うリスク
虫歯を繰り返せば、削られる歯の範囲も増えていき、歯を支える歯茎の状態も悪くなれば、いずれは歯を失うことになります。
将来健康な歯を残すためには、虫歯になってから治療をするのではなく、虫歯にならないように普段の生活で予防していくことが重要です。
虫歯を未然に防ぐ方法
自分でできるセルフケア
予防歯科では症状がなくても定期的に検診を行い、口の中の状態を確認していきます。
虫歯治療を受けたことがある方は、詰めものやかぶせの点検も行っていき、症状が少しでも見られる場合はブラッシング指導や生活習慣の改善提案をいたします。
患者さん自身で日頃ケアできるように知識を身につけることも、虫歯を未然に防ぐために重要です。
定期的なフッ素塗布
歯磨きやケアを意識していても、虫歯の原因であるプラークを上手く除去できていない場合は多いです。
その為、定期的に医師による専門的な治療を受けましょう。初期段階の虫歯では、歯にフッ素を塗布して歯の構造を強化することで予防に大きな効果をもたらします。

超音波での歯石除去

資格を持った医師や歯科衛生士が使用できる専用の器具や薬品では、普段のケアでは除去できていないプラークにも対応できます。
超音波を出す器具で歯石を分解して除去し、落とした後は再び汚れが歯に付着しないように歯を磨いていきます。
定期検診の理想期間

検診を行う理想の期間は、患者さんの口内状態によって変わりますが一般的には3ヶ月に1回程度と言われています。
虫歯や歯周病のリスクが高い場合は1〜2ヶ月に1回、逆に状態がよければ半年に1回で十分と判断されることもあります。ただし、歯周疾患のリスクは加齢とともに高くなるため、若年層に比べると高齢層の頻度は高くなると考えておきましょう。
患者さん自身で正しいケアを意識し、それと共に医師の問診、検査、クリーニングを定期的に行うことで大きな予防効果となり得ます。