お子さんのむし歯予防のためにフッ素塗布を考えていらっしゃる方も多いかと思います。
しかし「フッ素塗布って危険が伴うの?」と心配されている方も少なくありません。
ここでは、子どもへのフッ素塗布の影響について、詳しく紹介します。
いくつになったらフッ素塗布を開始できる?
フッ素塗布が可能な時期としては「歯が生え始めたら」と言われています。
実際には上下の前歯がそれぞれ4本ずつ生え揃う時期を目安に、年齢でいうと1歳半ごろで、離乳食から幼児食へと移行する時期になります。
食事形態の変化とともに、むし歯リスクが上がる時期ですので、フッ素をうまく活用しましょう!
子どもへのフッ素塗布の効果とは?
乳歯にフッ素を塗布することで、次のような効果を得ることができます。
・歯質を強化する
・歯の再石灰化を促進する
・むし歯の原因菌の活動を抑える
・歯質を強化する
歯の表面を構成するエナメル質がむし歯の原因菌によって溶かされるとむし歯になります。そうなる前にフッ素を塗布することによって「フルオロアパタイト」と呼ばれる結晶が生成され、歯の表面の歯質が強化され、むし歯になりにくくなります。
また、フッ素には、溶かされた歯の再石灰化を促進してくれる働きがあり、細菌の活動を抑え、むし歯の原因菌も活動しづらくなります。原因菌の活動が抑制されることで、むし歯リスクを減らすことが可能になります。
おすすめのフッ素濃度と使用量・過剰摂取の基準値について
2023年1月、日本口腔衛生学会・日本小児歯科学会・日本歯科保存学会・日本老年歯科医学会により、フッ化物配合歯磨き粉の新たな推奨基準が発表されました。
おすすめのフッ化物配合歯磨き粉の濃度と使用量を、年齢ごとにみていきましょう。
年齢 | 濃度 | 使用量 |
歯の生え始め~2歳ごろ | 900~1,000ppm | 1~2mm程度 |
3~5歳ごろ | 900~1,000ppm | 5mm程度 |
6歳~ | 1,400~1,500ppm | 2㎝程度 |
過剰摂取についてですが、フッ素で急性中毒を起こす量の目安は1kgあたり2mgとされています。
具体的には、体重約15kgの子どもが60g入りの大人用の歯磨剤(フッ素濃度1450ppm)を1本丸ごと飲んでしまうと過剰摂取となります。 大人の目の届く範囲での使用であれば、急性中毒を起こす可能性は極めて低いと考えられます。フッ素にはさまざまなメリットがありますので是非上手に取り入れてみてください。