口腔ケアとは、お口の中を清潔に保つことです。さまざまな口腔トラブルを防ぐことに加え、口腔機能を維持・回復するといった目的があります。さらにそれは全身疾患の防止や心身の健康状態の維持、ひいてはQOLの向上などのメリットをもたらすものです。そのため高齢者の口腔ケアは大切だと考えられており、介護を行ううえでも重要視されています。
口腔ケアの基本的な流れと必要なグッズ
今回は、口腔ケアの基本的な流れとともに、ケアを行う際のポイントについて説明していきます。まずは、口腔ケアは「1.うがい」「2.歯の清掃」「3.粘膜の清掃」「4.舌の清掃」「5.頬のストレッチ」「6.うがい」「7.義歯の洗浄」の流れで行います。
この口腔ケアのために必要なグッズとしては、歯ブラシや歯間ブラシ、スポンジブラシ、舌用ブラシ、義歯用ブラシ、うがい受けなどが挙げられます。
口腔ケアの3つポイント
近くにケアグッズを用意する
口腔ケアを行う際のポイントは、主に3つです。まず口腔ケアを始める前に、近くにケアに用いるグッズを置いておきましょう。あらかじめ用意しておくと、途中で席を立つ必要がなく、ケアを中断することがありません。
安全な姿勢を確保する
また、安全な姿勢を確保することも重要です。本人の状態に合わせて、無理なく安全な姿勢を確保できるようにしましょう。
自分でしっかり座れる、または立てる場合には、背中をまっすぐにした状態で行います。ベッド等で行う場合には、30~45度ぐらい上体を起こすようにすると、誤嚥防止できます。少し上体を起こしておくことで、食べかすや汚れただ液がのどに入ることを防ぐためで、あごを引いたうつむき加減の姿勢が、誤嚥防止には有効です。
お口のチェックをする
もうひとつのポイントは、お口のチェックをすることです。食べ物が残っていないか、どれほど汚れているか、さらに出血や腫れ、口臭の有無なども確認したうえで、口腔ケアを始めましょう。なお、本人ができることは自分でやってもらうことで、リハビリやモチベーションアップにつながります。介助者は、安全確保を第一に考えながら、あくまでもサポート役として口腔ケアに取り組むようにしましょう。