口腔ケアの2種類の方法と目的
口腔ケアには、病気予防のメリットがあります。お口のケアをすることがどう病気予防につながるのか、説明していきましょう。口腔ケアには「器質的口腔ケア」と「機能的口腔ケア」の2種類があります。器質的口腔ケアの主な目的は、口腔内を清潔に保つこと、そして機能的口腔ケアの目的は、口腔機能の維持や向上です。まず口腔内を清潔に保つことは、虫歯や歯周病などお口のトラブル防止につながります。
全身疾患へのリスク
歯周病菌の繁殖
また口腔内で歯周病菌が繁殖すると、誤嚥性肺炎の発症リスクが高まる上、歯周病菌が全身の血管に流れ込むことで、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす可能性もあるのです。適切に口腔ケアを行い清潔な状態を維持することは、全身疾患の予防に有効といえます。口腔内で細菌が繁殖しやすくなるのは、お口の中が不衛生な状態になっていることに加えて、唾液分泌量が少なくなっていることも理由のひとつです。
唾液分泌の機能の低下
特に高齢者の場合、唾液分泌の機能が衰え、自浄作用が低下しているケースが多いため、お口の中が不衛生な状態になりがちです。意識的にケアしていくことで、虫歯や歯周病だけでなく全身の病気予防へとつながります。
口腔機能の効果
また口腔機能を鍛えることも、病気予防の観点からも効果的です。しっかり噛んできちんと飲み込むことができれば、誤嚥防止に有効といえます。
さらにお口を動かして脳に刺激を与えることは、認知症予防にも効果的ですし、自分で食べるという行為は、日常生活の満足度に大きく関わるため、心の健康維持のためにも重要です。食事だけでなく、口腔機能が維持されていれば、人とのコミュニケーションも円滑になります。話したり、表情筋を動かしたりするのにも、口腔機能が大きく関わっているためです。
口腔ケアの効果
このように、口腔ケアは病気予防に有効であり、心身の健康を保つために不可欠といえます。さまざまな機能が低下する高齢者にとっては欠かせないものですが、意識的にお口のケアを行うことは年齢にかかわらず大切なことです。