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口腔ケアの必要性 | 口腔ケアは誤嚥性肺炎や脳梗塞、心筋梗塞の予防になる?

高齢者の口腔ケア

口腔ケアは、お口の中を清潔に保つことや、虫歯・歯周病などの疾患予防だけが目的ではありません。口腔の機能を維持することも、口腔ケアが必要とされる理由です。さらに口腔ケアは、誤嚥性肺炎や脳梗塞、心筋梗塞などの全身疾患の予防にもつながるとされています。

なぜ誤嚥性肺炎や脳梗塞、心筋梗塞の予防になるのか?

歯周病菌は全身疾患の発症リスクを高める

実は、全身の健康維持や向上のためにも、口腔ケアは欠かせません。では口腔ケアがなぜ誤嚥性肺炎や脳梗塞、心筋梗塞などの予防になるのかというと、口腔内細菌と内科疾患の関係性にあります。口腔内細菌は、虫歯や歯周病の直接的な原因となりますが、全身疾患を引き起こす危険因子にもなり得ます。特に歯周病菌には要注意で、重症化すると全身疾患の発症リスクを高めてしまうのです。

脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす歯周病菌

初期段階の歯周病菌は、歯垢や歯石などで繁殖する程度ですが、症状が進行するにつれて、深くなった歯周ポケット内でも増殖していきます。すると、歯茎の血管を通じて血流へと進み、細菌の繁殖が全身に及ぶというわけです。血管の詰まりを引き起こし、脳梗塞や心筋梗塞といった血管の病気につながっていきます。

歯周病菌による誤嚥性肺炎の発症リスク

また特に高齢者が注意すべき疾患として挙げられるのが誤嚥性肺炎です。誤嚥性肺炎とは、細菌を含む唾液や食べ物が誤嚥され、肺などに細菌が侵入することで発症するものです。これに関しても、口腔ケアを実施することでそのリスクを低下できます。

口腔ケアでQOL(=生活の質)を高める

このように、歯周病は単なるお口の病気ではなく、重症化すると深刻な全身疾患につながることがある怖い病気です。歯周病の症状は自覚しづらい点においても、注意が必要となります。さらに口腔内を清潔に保ち、口腔機能を向上させることは、食事や会話を楽しむためにも必要で、近年重要視されているQOL(=生活の質)を高めることにもつながります。

そのためには、適切な口腔ケアが有効です。歯みがきなど日々のケアも大切ですが、口腔内のトラブルを早期発見、治療するには定期的に歯科医院へ通院することが重要といえます。