誤嚥(ごえん)とは?
食事の際に急に咳き込むことがありますが、その症状を誤嚥(ごえん)と呼びます。誤嚥は誰にでも起きるもので、若い方でもよく「むせた!」といってゴホゴホと咳き込むことがあります。唾液や食べ物が、食道ではなく気管に入ることで誤嚥が生じるのですが、この際に肺炎を起こすことがあるのです。
誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)とは?
誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)は、嚥下障害(えんげしょうがい)によって食べ物や唾液が気管に入ることで肺炎を起こす症状です。誤嚥性肺炎の特徴は65歳以上の高齢者が多くかかる肺炎であり、嚥下障害が原因で誤嚥することで発症します。高齢者がかかると重症化しやすく70歳以上の高齢者で肺炎による死亡原因の70%が誤嚥性肺炎といわれています。
嚥下障害
高齢者が誤嚥しやすくなるのは多くが嚥下障害です。咀嚼(そしゃく)が上手くできなくなり飲み込むことも難しくなるので、タイミングがずれて食道でなく気管に入り込んでしまうのです。これは、咀嚼が十分でないこともありますが、口や舌、のどの筋肉や筋力が低下するのが要因となります。さらに、誤嚥しても咳き込むことがなくなったり、咳き込む力が弱くなったりすることから、吐き出すことができなくなることも誤嚥性肺炎を引き起こす原因となります。
歯科訪問診療の必要性
訪問診療では内科的な処置が一般的です。一方で歯科訪問診療と呼ばれる歯や歯茎の治療、入れ歯の治療を行う訪問診療もあります。歯科訪問診療では口の健康を保つ口腔ケアや嚥下訓練を行います。歯科訪問診療によって得られるのは、ものが飲みやすくなる・誤嚥を少なくする・口の乾燥を防ぐ・かむ回数が増えることで認知症予防になる・発音が良くなるなどのメリットがあります。