子どもの歯科矯正(小児矯正)は、はじめるタイミングによって得られるメリットが異なります。大人の歯科矯正との違いやメリット、デメリットなどについてもくわしくみていきましょう。
大人の矯正との違いを知る
今ある歯の位置や向きを整えて見た目や機能性を良くするのが、成人矯正(大人の歯列矯正)の特徴です。一方で小児矯正は、将来生えてくる永久歯が自然ときれいに並ぶように顎骨を広げたり、唇や舌、頬といったお口周りの筋肉を鍛えて歯並びが崩れるリスクを抑えたりすることを目的としています。メインの第一期治療と、微調整が必要な場合に行う第二期治療の2つに分けられます。
子どもの矯正歯科のメリット
・顎骨の問題を早い段階で解消できる
・発音や滑舌を改善できる
・成人矯正での抜歯のリスク低下
・強い痛みを感じにくい
・お口トラブルのリスク低下
・見た目に自信がもてる
子どもの矯正歯科のデメリット
・ご家族の協力が必要不可欠
・トータルの治療期間が長め
・成人矯正が必要になる場合もある
小児矯正が向いていない人
・装置をすぐに外してしまう方
・嘔吐反射が強くて装置をはめられない方
・絶対に小児矯正だけで済ませたいという方
・装置でアレルギー反応がでる方
いつから始めるべきか
小児矯正をはじめるベストな時期は、乳歯から永久歯に生え変わる6歳〜12歳ごろです。この時期は顎骨の成長期であり、装置を使って顎骨を広げられる点や痛みが少ない理由でもあります。14歳頃までに顎骨の成長が止まり、成人矯正の対象となるため注意しましょう。歯科医院によっては3歳ごろから治療を開始する場合もあります。
矯正の種類を知る
小児矯正では、主に以下の方法で治療を行います。お口の状態だけでなく、患者様のご年齢や性格によっても適切な治療法が異なりますので、気になる方はまずは一度矯正医にご相談ください。
固定矯正(ブラケット)
歯の表面にブラケットとよばれる装置を貼り付け、そこにワイヤーを通して行う方法です。1本1本の歯を細かく動かすことができるため、微調整を目的とした第二期治療ではとくに役立ちます。
取り外し矯正(マウスピース)
マウスピース型の装置を使用する方法です。
小児矯正の第一期治療は、主に取り外しが可能な装置を使用します。1日の装着時間や管理方法は装置の種類によって異なるため、間違えないように注意しましょう。
機能的顎矯正装置
顎骨の成長を促して受け口を改善する装置です。柔らかい素材でできており、3歳から使用できます。1日の装着時間は就寝中と起きている間の1〜2時間のみです。
ご家族と共に最良の選択をするために、小児矯正のメリットとデメリットをしっかりと理解し、専門の歯科医にも相談することをおすすめします。