健康診断と人間ドックの違い
「健康診断」と「人間ドック」は、どちらも身体の状態をチェックする点では同じですが、実はいくつかの違いがあります。目的・検査項目・法的義務の3つが主な相違点です。
主な目的
健康診断の主な目的は、病気の予防です。生活習慣病の予防や表面化していない病気を発見するために、年齢に応じた一般的な検査が行われます。また、健康診断だけでは発見することが困難な病気を見つけるのに有効なのが人間ドックです。健康診断よりも精密な検査を行うことで、病気の早期発見や自覚症状がない異常の発見が可能です。早期治療につなげられるため、気づくのが遅れてしまうことを未然に防げます。
検査項目
健康診断よりも人間ドックのほうがより精密な検査ができることからもわかるように、人間ドックの検査項目はより多岐に渡ります。年齢や加入している健康保険など諸条件によっても多少異なりますが、健康診断の主な検査内容は、身体計測や血液検査、胸部X線、尿検査といった基本的なものです。一方人間ドックではそれらに加えて、胃カメラやCT、MRIによる検査を行うなど、さまざまな項目の検査を受けられます。男性・女性特有の病気や、脳に特化した検査などのコースが選べることも人間ドックの特徴です。
法的義務の有無
また、健康診断と人間ドックでは法的義務の有無が違います。企業に勤めている方の場合、労働安全衛生法に基づいて年に一度の定期健康診断が義務付けられています。人間ドックには法的義務がないため、基本的にはすべて自費で受診しなければなりません。そのため、人間ドックのほうが高額な費用を要する点も大きな違いとして挙げられます。
自分の身体の状態を知るためにも、定期検査はとても重要です。会社勤めをしていない方の場合でも、年に一度の健康診断は不可欠といえます。また、病気の早期発見・早期治療といった観点では、健康診断では不十分だと考えたほうがよいでしょう。できれば人間ドックについても、定期的な受診がおすすめです。