からだとお口の健口美 ワンステップ全4回でお送りしてきました。この第4回が最終回となります。
第1回 呼吸法 → 第2回 姿勢 → 第3回 声(口)、これらの要素はすべてつながっています。
日々寒さも増してきていますが、忙しい毎日の中で、自分のからだは後回しになりがちです。健口美の極意は、がんばる美容ではなく自分を労わる時間です。
第4回では、呼吸・姿勢・声を意識していく日常をつくるため、1日の過ごし方~今日からできるトータルケア〜をご紹介します。
健口美がもたらす、からだとこころの好循環〜内側から輝くために〜
① お口の健康や機能は全身やメンタルにも影響する
お口は 呼吸する・話す・食べる・表情をつくる という4つの機能をもち、生命活動の入り口です。
姿勢が崩れたり、顔、噛む力や舌 ・ 唇の動きが衰えると、食事の質が下がり、消化や栄養吸収にも影響します。このような不調は無意識のストレスとなり、気持ちの落ち込みや集中力の低下につながることもあります。 顔や口が快適に動き、自然に笑える状態は、脳への刺激を増やし、心の安定や前向きな気持ちを育てます。

健口美の一つ目の効果は、心身の土台を整えることができることです。
② 呼吸・姿勢・声の整いが相互に作用する
呼吸と姿勢、そして声は密接につながっています。
これまでの回で、姿勢が崩れると呼吸は浅くなり、呼吸が浅くなると姿勢、そして声量や声質も変化することをお伝えしました。その結果、表情は硬くなり、気持ちまで消極的になってしまいます。
背筋を伸ばし、深くゆったりと呼吸をすると、自然と声が通り、表情も明るくなります。声が安定すると、言葉に自信が宿り、人とのコミュニケーションもスムーズになります。

健口美の2つ目の効果は、からだ全体のバランスを整える連鎖反応がより良くなることです。
③ 健口美=見た目だけでなく[生きる力]
健口美という言葉は、口元の美しさや表情を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、本当の健口美は自分らしく生きる力を支えるものです。
しっかり噛めること、自然に笑えること、伝えたい思いを声にできること。それらはすべて、日常を前向きに生きるための大切な力です。

健口美を意識することは、自分のからだとこころに目を向け、丁寧に扱いながら歩むこと!
3つ目の効果は、その積み重ねが、内側からの輝きとなり、自然な美しさとして表れていきます。

意識すること、日常で続けることはとても大切ですが、たくさんのことをするのはできないし…ポイントがあるといいな!
健口美は[点]ではなく[流れ]
健口美は、ある一瞬だけ整っていればよいものではありません。特別なケアや一時的な努力によってつくられる点ではなく、毎日の呼吸、姿勢、声、そして口腔機能の使い方がつながって生まれる流れです。
小さな積み重ねが、からだや口の動きを支え、表情を柔らかくし、からだとこころの健やかな循環を育てていきます。
健口美を意識するとき、自分の毎日を整え続けるプロセスそのものに視点を向け、その毎日の流れの中にこそ、内側から輝く本当の美しさがあります。
一つ一つの運動は、第1回~第3回のコラムを参考にしてくださいね。

口の動きが円滑で、呼吸が安定していると、発声は明瞭になり、表情筋も自然に働きますね。
相手にとって聞き取りやすく、理解しやすい情報伝達が可能になりますよ!
健口美はわたしたちの表現の軸になる
からだとお口を整えることは、自分のためであると同時に、周りの人が安心して向き合える空気をつくることにもつながります。健口美は、自信をもって周囲とのコミュニケーション環境をつくり、静かに広がっていきます。
表現の軸はこんな風に循環します。健口美は、自分をよく見せるためのものではありません。

① 自分を整える:口腔機能の安定【呼吸する・話す・食べる(嚙む、飲み込む)・表情をつくる】
② 表情・声・在り方が変わる:発声や表情の安定、情報伝達が明瞭化し、対人ストレスの軽減
③ 周りの人が安心する/受け取りやすくなる:良好な人間関係へ

自分を大切にすることで生まれた整いが、結果として、周りの人へのやさしさとなって届いていく!素敵だ!
こんな風に意識してみてはいかがでしょうか!!~1日の流れ~
わたしが意識していることをご紹介します。
朝:呼吸でスイッチを入れる
① 朝起きたら、まず深くゆったりと呼吸を行い、からだを目覚めさせましょう。
② 鼻から息を吸い、口をすぼめるようにしてゆっくり吐く呼吸を、3回ほど行いましょう。


睡眠中に浅くなりがちな呼吸を整え、自律神経を穏やかに切り替える効果が期待できます。
日中:姿勢を意識して過ごす
① 日中は、座る、立つといった基本姿勢を意識することが大切です。
② 姿勢が整うと、胸郭が広がり、呼吸が深くなると、お口や舌の動きが安定し、噛む、話すなどのなどの口腔機能を無理なく使える状態が保たれます。


姿勢は、常に背筋を軽く伸ばし、頭がからだの上に自然に乗る位置を意識するといいですよ!!
長時間同じ姿勢が続く場合は、時々肩を回すなど、簡単なリセットを行ってください。
会話:声、言葉を丁寧に使う
① 息を止めず、呼吸に声を乗せるように話すことを意識すると、無理のない発声につながります。
② 落ち着いた声は、相手にとって聞き取りやすく、コミュニケーションの負担を減らします。


声を丁寧に使うことは、喉や口への過度な緊張を防ぎ、口腔機能の維持にも役立ちますね!
夜:からだやお口を労わる
① 1日の終わりには、からだと同じようにお口を休ませる時間を持ちましょう。その方法の一つが歯磨きや口腔ケアです。
② 歯磨きや口腔ケアを丁寧に行いながら、「今日もお口をよく使った」と自分のからだに意識を向けるだけでも十分です。
夜のケアは、翌日の健口美につながる回復の時間です。


夜の歯磨きや口腔ケアは、入浴中に行っています!
その時、肩や首をゆっくり動かし、呼吸を整えることもしていますよ。口周りの緊張も緩みやすくなります。
さて、全4回のコラムでは、健口美についてお伝えしてきました。
歯科医院のコラムで、リハビリテーションの専門職のわたしが皆さんにお伝えしたいことは、日常動作の中心にお口があること、そして、その機能は全身の健康や生活の質にも深く関わっているということです。
自分でできること、歯科医院に相談することなどがありますが、まずは身近なところから一つずつつなげていってください。



