10月も後半になり、朝晩は急に冷え込んできましたね。
第1回・第2回では「正しい呼吸」と「より良い姿勢」についてお話ししましたが、これからの季節は寒さの影響で、身体を丸めて過ごしてしまうことも多くなります。そんなときこそ気持ちを切り替えることが大切です。
その方法として、姿勢を整え、大きく深呼吸をしてみましょう。
それでは第3回は、「発する声(音)で明るく元気に!〜伝える&伝わるその瞬間を大切に〜」です。今回は[発声(音)][表情(無音の声)]についてお話しします。
大切なコミュニケーション
私たちが生活するうえで欠かせないのが、相手とのコミュニケーションです。
意思を伝える・感情を伝えるために言葉があり、しっかり[発声(音)]し、併せて表情で気持ちを表現します。
コミュニケーションには口腔機能(舌、唇、頬の筋肉)が不可欠です。会話をスムーズにするには[滑舌]も大切です。現代社会ではコミュニケーションの方法も多様化し、SNSを利用したコミュニケーションも増えています。


コミュニケーション方法!!本当にたくさんありますね
今回着目するのは、口腔機能です

滑舌、気になります!
声が擦れたり、上ずったり、緊張してしまうと恥ずかしいなあ
精神心理的な部分が声にも影響を与えてしまうんですよね
言葉の持つ力
言葉は自分自身にも相手にも影響を与えます。言葉ひとつで[行動]や[感情]が変わります。ポジティブな言葉は幸福感を、ネガティブな言葉は不安や悲しみを高めます。
また、想像力を育み、自分自身の成長(自己肯定、過去の振り返りから次の一歩へ)にもつなげることができる、それが言葉の持つ力です。


私たちは当たり前のように言葉を交わしています
せっかく言葉にするなら、お互いがハッピーになる力を、言葉を、伝えたいですね

よく使う言葉はどうでしょう!?みんな癖があります
好きな言葉、素敵だなと思う言葉、尊敬する人が使う言葉、真似をするのも良いですよね
言葉に宿る音(気持ち)
私たちは言葉で意思や感情を伝えています。
耳に伝わる音のひとつに[声]があります。声は喉の部分にある声帯という器官と口などを振動させて出す[音(=声)]です。
声量(大きさや調子)や声質(響きや振動など)によって感情の伝わり方が変わり、私たちはこの[声]を巧みに使ってコミュニケーションを取っています。
これまでのコラムでもお伝えしたように、姿勢は顔や表情、口の機能に影響を与えます。声量や声質においても、口腔機能だけでなく、姿勢、そして声帯を振動させる息、これらが相互に関わり合って音をつくり、言葉として発せられています。


言葉は大切なコミュニケーションのひとつですが、
言葉(意味)を伝えるだけではなく、相手の心に響く音として言葉を発したいですね

会話をしていて大切なのは、たしかに表情もですね!
少し恥ずかしさもありますが、感情を表現するのは言葉(音)だけではなく、表情も欠かせません
Let‘s エクササイズ!!
より良いコミュニケーションのため、また口腔機能の低下を予防する方法として、機能的口腔ケアを取り入れましょう。
「機能的口腔ケア」は、お口の機能を回復・維持・向上させるためのケアです。
そしてもう一つ、「器質的口腔ケア」があります。こちらは、お口の中を歯磨き、うがい、そして粘膜ケアで清潔に保つためのケアのことです。

機能的口腔ケアのポイントは、話す、食べる、呼吸する、表情をつくるお口の働きの維持・向上です
口の周りの筋肉や舌を動かすことでお口の機能の低下を予防していきます!

器質的口腔ケアのポイントは、お口の中の歯 ・ 歯茎 ・ 舌 ・ 口腔内の粘膜をケアすることです
これによって、口の中の細菌の全体数を減らすことができますね。歯磨き、毎日しています!!
今回も、正しい呼吸と姿勢を意識して運動します。前回までの運動は、準備体操として取り入れると良いでしょう。
機能的口腔ケアで、笑顔でコミュニケーションを取ろう!
基本姿勢で深呼吸 姿勢を意識しましょう!
正面を向いて
口を開いたときに、下あごが上がらないようにしましょう

あごの運動
口を大きく開け、しっかりと閉じること
数回繰り返します
※口を開けるときは、大きなおにぎりにかぶりつくイメージで
※口を閉じるときは、しっかり閉じましょう

口唇の運動
横に引く ⇔ 口唇を突き出す
交互に数回繰り返します
※口角をしっかり横に引きましょう!
※「うー」と口唇を前に突き出します!

● 舌の運動 4種
①舌を 前に出す ⇔ 引く を繰り返します

②舌を 上 ⇔ 下 に動かしましょう

③舌を左右の口角につけるように
動かしましょう

④舌で歯をなぞるように
舌をぐるり、左右に動かしましょう

● 唾液腺マッサージ 耳下腺
耳たぶのやや前方、上の奥歯あたりに指先をあてます
指全体でやさしく押しましょう
※酸っぱい食べ物を想像すると
唾液が出てくるところです

● 唾液腺マッサージ 顎下腺
あごの骨の内側、柔らかい部分が顎下線です
指をあてて
耳の下からあごの先までやさしく押しましょう

● 唾液腺マッサージ 舌下腺
あごの先の内側、舌の付け根にあたりが、舌下線です
下あごから舌を押し上げるように
両手の親指でぐ~っと押しましょう

● 眼の周りのストレッチ
ぎゅっと眼を閉じて、パッと大きく眼を開きましょう

● 頬の運動
頬をふくらます ⇔ へこます を交互に行いましょう

相手に伝える言葉を大切に!はっきり読みエクササイズを取り入れて!
第3回では、歯科領域にもつながるリハビリの視点からお話ししました。
口腔機能というと「歯医者さんの分野」と感じる方が多いかもしれませんが、リハビリの領域でも重要な要素であり、日常生活の運動としても取り入れられます。
第1回の「呼吸」、第2回の「姿勢」で、しっかり運動するための土台が整いました。
その上で、機能的口腔ケアと[伝える言葉]のためのエクササイズを取り入れ、「発する声(音)」を意識することで、自分も周りも明るく元気に。きっと、その場の空気を変えることもできるでしょう。
最後に、発する声(音)のためのエクササイズ!!はっきり読みエクササイズをご紹介します!

はっきり読みエクササイズは、早口言葉とは違いますよ!
大きな口の動きで、はっきり読むことを意識して取り組み、またリズム♪も必要です!

発する音、語音を意識して行って!
「活舌が心配」、「聞き取ってもらえるだろうか!?と不安」、「要点がしっかり相手に伝わってほしいな」 と、こんな風に思っている方、ぜひやってみてください!





