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第1回 からだをリフレッシュする呼吸法〜こころのゆとりと健口美〜

リハビリコラム

仕事中、家事や育児中、疲れたな~と感じたとき、ご自分のペースでできる運動を取り入れて、からだとお口の健康を維持していきましょう。

からだの健康とお口の[健康、健口]は切り離すことができません。第1回では、からだについてお話しします。

呼吸ってなに?

お母さんのお腹の中から外に出て、はじめてするもの、それが呼吸です。

呼吸とは、からだの中に酸素(さんそ)を取り入れ、二酸化炭素(にさんかたんそ)をからだから出すことです。
わたしたちが生きていく上で、からだを動かすエネルギーをつくるために必要な行動で、呼吸なしでは生きられません。

息を吸い、肺で血液中の酸素と二酸化炭素の交換が行われ、息を吐く

呼吸の正常値は年齢によって異なり、胸やお腹をみながら呼吸のリズムと呼吸の回数を確認します。
成人の安静時の呼吸数は、1分間に12~20回程度が正常値とされています。

呼吸は、[体温] [血圧] [脈拍] と合わせて、
その日のからだの健康状態を知るための指標の一つなんです!

運動をするとき、からだがどのような状態かを確認して
内容や負荷量を調整しているんですよ

正しい呼吸って?

わたしたちにとって大切な呼吸、どんな風にしていますか?
運動したり、気持ちが高ぶったり、不安を感じたときなどには、呼吸数は変動します。

正しい呼吸とは、鼻から息を吸い、口から息を吐くことです。特に、吸う息よりも、吐く息をしっかり長く吐くことを意識していただきたいです。

3秒かけて鼻から息を吸い、6秒かけて息を吐くことが良いとされています(※時間は、個々人に合わせて変えてよいです)

しっかり息を吐き切ると
新しい空気を取り込むことができるようになるんです

呼吸には大きく二つ、みなさんもご存じの胸式呼吸腹式呼吸があります。

肺そのものには筋肉はなく、自ら膨らんだり、縮んだりすることはできません。肺の周りにある呼吸筋となる呼吸に関わる筋群の働きによって動いています。

胸式呼吸
胸(胸郭)が膨らんだり、縮んだり、これは肋骨が上下に動いて行われている呼吸法で、肋間筋が働いています。

腹式呼吸
胸腔と腹腔を仕切っている横隔膜を動かす呼吸法です。
横隔膜は呼吸に必要な呼吸筋で、横隔膜を下に押し下げることで胸郭を広げ、肺の下部にまで空気を取り込めるように働いています。

呼吸と姿勢、そしてわたしたちの生活

呼吸の仕方で姿勢やからだが変化していきます。
呼吸と姿勢には密接な関係があると同時に、わたしたちが生活する上で動くこと[動作]とも切り離すことができません。

長時間のデスクワークや作業活動で背中を丸くしていたり、同じ姿勢で過ごす時間が続いてからだを硬くしていたりすると呼吸が浅くなったり、不安やストレスがあると、呼吸の回数が増えていることはありませんか?

呼吸には、姿勢や気持ちが大きく影響を与えます

ご自分がどんな風に呼吸をしているか、その時の姿勢を確認することからはじめてみてください。

からだのストレッチ

正しい呼吸、より良い呼吸のためには、よい姿勢を意識して、呼吸に必要な筋群をしっかり動かすことができるようになることが大切です。呼吸に必要な筋群がしっかり動くためには、これらの筋群の柔軟性を高めて、動きやすい状態であることが必要です。

筋肉をほぐしながら、ゆっくりと深い呼吸を行いましょう
不安やストレスを和らげることができます

よい姿勢を保つための一つの方法としても
呼吸があるんですよ

日常のちょっとした時間でも取り組めるストレッチから、まず取り入れてみませんか。

呼吸のためのストレッチ

基本姿勢

足底を床につけて
耳、肩、腰が一直線になるように座りましょう

肩の挙上運動(肩甲骨を動かす)

肩を耳に近づけるように挙げます
力を抜いて肩をストンと下ろします

肩回し運動(肩甲骨、肩関節を動かす)

肩に手を当てて大きく回します
 前回し後ろ回しを交互に行いましょう
※手を肩につけず、肘を曲げていっても良いです

上体伸ばし(胸郭・体幹の伸展)

両手を組み、組んだ手を上に上げます
そのままの姿勢で大きく息を吸い、

上体ひねり(肩甲骨を動かす、体幹回旋)

両手を組み、片方の腕を伸ばします
息を吐きながら、上体をゆっくり横にひねります
目線も同じ方向を見ましょう

こころのゆとりから健康・健口美

わたしたちは、からだを動かし、会話をし、頭を使う(集中する)という活動をしています。からだの健康には、こころのゆとりも必要です。 日常の生活や行動するときに働いているのは交感神経、休息やリラックスをするときに働いているのは副交感神経です。
交感神経と副交感神経は自律神経といわれ、交互に働くことでからだを調整しています。

疲れや緊張、気持ちがそわそわしたり、心が落ち着かない状態となると、呼吸は浅く、そして早くなりがちです。浅く、早い呼吸は交感神経の活動を高め、全身の緊張感をより高めてしまうことにもなります。

深呼吸は、副交感神経を優位に働かせることができ、自律神経のバランスを整えやすくさせるため、
リラックス効果が得られるといわれていますね

副交感神経が優位な状態になると、からだのこわばりが緩和し、心身ともにリラックスした状態を維持しやすくなります

ぜひ、正しい呼吸法を身につけていきましょう。