生理中でも健康診断や人間ドックは受けられます。しかし、生理が影響して適切に行えない検査があります。
生理の影響が出やすいのは尿検査、大腸検査(便潜血検査)、子宮がん検診(子宮体部細胞診、子宮頸部細胞診)、腫瘍マーカー検査(血液検査)です。
これらの検査を実施する場合は患者様に日時を変更していただくようにします。では生理がそれぞれの検査にどのような影響を与えるのか、確認していきましょう。
尿検査
尿検査は経血が混じって尿蛋白や尿潜血、尿沈渣などの検査結果が出てしまうことがあります。
そのため生理中の検尿は避けるように指示する医療機関が多いです。また、生理前や生理後にも影響があり、尿潜血反応の信憑性が低下する恐れがあります。
そのため、生理前3日から4日、生理後5日から6日の数日間も、できるだけ尿検査は避けた方が良いでしょう。
大腸検査
大腸検査で用いられる便潜血検査は、便中に血液が混入していないか調べる検査です。
精度が高く、僅かな血液でも反応してしまうため、生理中だけでなく、痔や肛門付近の病気でも陽性となってしまいます。
尿検査と同じくできるだけ生理中は避けた方が、適切な検査結果を出やすくなることを理解しておきましょう。
子宮がん検診
子宮がん検診で同時に行われることがある子宮体部細胞診検査と子宮頸部細胞診検査は、小さなブラシを使い膣内や子宮内から細胞を採取する検査方法です。
そのため、生理中に検査を行うと経血によって必要な細胞が採取できなくなり、子宮がんや炎症など、重大な病気を見逃してしまう可能性が高くなります。
そのため、生理中は子宮体部細胞診検査と子宮頸部細胞診検査は実施不可としている医療機関も多いので注意しましょう。
腫瘍マーカー検査(血液検査)
腫瘍マーカー検査(血液検査)で生理中に強く影響が出るのは、主に卵巣がんや子宮内膜症を調べる腫瘍マーカーCA125です。
生理中や妊娠初期など性周期の影響で高い数値を出してしまうことが多く、正確な検査を行うために生理中には実施しないことが推奨されています。