検査前夜の食事制限が必要な理由
人間ドックなどの場合、検査前日の夜から食事制限を行いますが、食事制限が必要な理由について理解していない患者様も少なくありません。なぜ検査前日から食事制限が必要なのか?その理由は消化管の検査を適切に行うためです。
食事制限が検査結果に与える影響
胃の中に食べ物が残っていると、消化管の粘膜や内壁の状態を内容物が邪魔してはっきり確認できなくなります。また、夜遅くに食事をすると糖分や脂質を消化しきれず、血液や尿の数値に影響が出て適切な検査を行えません。
食事制限のある検査は主に胃部レントゲン検査、腹部超音波検査、胃内視鏡検査が挙げられます。
バリウムを飲んでレントゲンで胃の中を撮影する胃部レントゲン検査は、胃の中に内容物が入っていると腫瘍などの影と見間違うことが多くなります。病気を正確に判断するためにも、食事制限はしっかり行うことが重要です。
腹部超音波検査は超音波を使用し、その跳ね返りで腹部の中を映像化する検査方法です。
検査前に食事を行ってしまうと、腸からガスが発生し超音波の跳ね返りを阻害してしまいます。
胃内視鏡検査ではいわゆる胃カメラを口や鼻から通して胃の粘膜を直接確認していく検査です。
胃の中に内容物が残っていると食べ物が邪魔で粘膜を適切に確認できません。特に胃がんなどで胃を摘出している、一部切除している患者様は食べ物を消化しづらい状態なので、絶食期間中に食事をしないことはもちろん、前日に食べる物は消化の良い物を選んでおきましょう。