生検の概要と目的
生検とは生検組織診断ともよばれ、患部の一部をメスや針、鉗子などで採取し、より詳しい病気を調べる方法です。
組織採取を行った後、確認しやすいように組織を染色し、顕微鏡で観察します。
主に菌の種類やがんを特定するために行うことが多く、内視鏡検査で潰瘍や病気が疑わしい部分がある際、追加検査として行います。
患部の一部をメスで切り取る、または針や鉗子で採取するため、生検に対して怖いイメージを持っている患者様も少なくありません。組織採取を行う際、ミリ単位の採取を行うため、痛みを感じることはなく、採取した部分から多少出血はしますが、自然に止まる範囲です。
生検の流れと手順
生検を行う流れをご紹介します。
内視鏡カメラで生検を行う場所を確認し、どこから採取するか決め、生検用の器具(鉗子)を内視鏡に入れてカメラを確認しながら採取していきます。
生検した場所から出血していないか、出血しても出血が止まったことが確認できれば、無事に終了です。
もし病気が疑わしい部分が複数ある場合には、必要に応じて2ヶ所以上組織採取を行うこともあります。
通常の場合、施術は数分で終わるので、患者様の身体的負担も少なくて済みます。
生検後のケアと注意点
ほとんどの患者様は問題なく生検を終えることができますが、まれに患者様の状態によって生検を行うことでリスクが伴う場合もあります。
例えば血を固まりにくくする薬を飲んでいる患者様の場合、出血のリスクが高くなるので注意しなければなりません。
また、消化管に穴が空いて貫通してしまう状態である、穿孔になることは生検ではほとんどありませんが、患者様の病状が内視鏡カメラの所見よりも進んでいた場合に生検を行った結果、穴が空いてしまう可能性があります。
生検を行った当日の飲食ですが、喉の麻酔をしてから1時間後に飲水が、2時間後に飲食が可能です。ただし、検査当日はお酒や辛い食べ物などの刺激の強い物は避けましょう。

万が一、生検後に腹部が痛い、便が黒いもしくは血の混じった便である場合は、生検した部分から出血している可能性が高いため、すみやかな受診が必要となります。