訪問歯科医師になるには
歯科医師になるには、大学の歯学部あるいは歯科大学を卒業したあと、国家試験を受けて歯科医師免許を取得する必要があります。学生のうちに、自分がどのような歯科医として活躍したいのかを考えておくことは重要です。歯科医師としての就職先を考える場合、選択肢のひとつに歯科訪問診療の訪問歯科医があります。歯科訪問診療では未経験者の求人も多く、新人でも内定はもらえます。ただし、最初は外来を経験したほうがよいといった意見があることも事実です。
その理由は、歯科訪問診療で対応する患者様は、高齢者が多く、何らかの疾患を抱えているケースがほとんどだからです。高齢者の診療は難しい処置があるため、外来勤務でさまざまな症例を見て経験を積んだほうがよいと考えられます。実際、高齢の患者様や障がいをお持ちの患者様の場合、座位で診るケースも多く、口の中が見えづらい環境での診察となります。
設備の制約と対応力
歯科訪問診療では医院勤務のように設備や機器が十分に整っていないため、学生のうちに得た基本的な知識・技術では対応しきれないことも出てきます。まずは外来でさまざまな症例に触れたうえで、その経験を歯科訪問診療で活かしたほうがよい場合もあります。
教育面でのメリット
教育面という側面においても、まずは外来で働いたほうがよいとされます。医院勤務のほうが、いざというときに先輩からアドバイスをもらえることはもちろん、先輩の近くで学びながら成長することが可能です。ただし、患者様のご自宅よりも、老人ホームのような高齢者施設を中心に訪問する場合には、複数の歯科医師と一緒に仕事をすることが多く、その場合であれば学びやすい環境ともいえます。
自分に適した職場の選び方
自分が理想とする働き方だけでなく、伸ばしたいスキルや活かしたい強みなどを踏まえ最適な職場を探すことがポイントです。歯科訪問診療では、より患者様と密接に関わるなかで得られるやりがいもあるため、そこに魅力も感じる方は訪問歯科医としての働き方も選択肢として取り入れるとよいでしょう。