歯科検診の重要性
歯の健康、身体の健康を守るためには、定期的に歯科検診を受診して、虫歯や歯周病などをはじめ様々な口腔内の病気を早期発見することが望ましいとされています。とくに近年は、予防歯科の考え方が重要視されていることからも、子供から大人まで定期的な歯科検診が推奨されています。
定期受診率
受診率の推移
1989年に日本で始まった「8020運動」は、「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という運動です。日本における歯科の定期受診率は海外と比較してもかなり低く、歯が痛くなったら歯科医の診察を受けるという認識がありました。しかし、時代による変化もあって予防歯科の考えが広まりをみせています。厚生労働省の『平成28年国民健康・栄養調査』によると、過去1年間に歯科を受診した人の割合は2009年では20代以上の受診率が34.1%でしたが、2016年には52.9%にまで上昇しています。現在ではさらに受診率の上昇は予測されますが、先進国の中では決して高くない数字です。予防歯科が盛んな欧州では約80%、アメリカも約70%の受診率と予防意識の高さがわかります。
年齢別の受診率
年齢別でもみてみましょう。2006年度の過去1年間に歯科を受診した人の割合は、20代で43.3%、30代で44.6%、40代で49.4%、50代で52.4%、60代で58.1%、70歳以上で57.9%でした。成人の歯科外来受診率は、年齢が上がるほど受診率が高くなることがわかります。これは、若い層は仕事や子育てで忙しいことや、若さゆえに自身の歯や健康への関心が低いことなどが要因と考えられます。一方で、年齢が上がると加齢に伴い歯周病などのトラブルが増えやすいことが、受診率が高くなる要因でしょう。
定期受診の頻度
口腔内の疾患が進行すると、歯を失うことにつながり、さらには身体の健康にも影響を及ぼすことが近年の調査によって判明しています。歯のトラブルは自覚症状なしに発生、進行することも多いので、早期発見・治療ができるように、症状がなくても定期的な受診が必要です。虫歯の減少は、健康維持につながり、早い段階で治療すれば医療費がおさえられます。年代によって、定期的に外来受診するとよい頻度は異なりますが、子供や大人の場合は3~6か月に1回程度、高齢者の場合は1〜2か月に1回の定期受診が推奨されています。