ご自宅や老人ホームのような施設で歯科診療を行う訪問診療。歯科訪問診療でも歯科助手は活躍しています。訪問ならではの業務もありますが、大まかな業務は同じですので歯科助手としての外来経験が活かせるのです。
外来診療と訪問診療で共通する業務
外来診療と訪問診療で共通するのは、歯科助手としての能力です。歯科助手が求められる能力は、歯科診療に関する知識、治療の流れから必要な器具を先読みして準備する判断力や行動力、コミュニケーション能力があります。患者さまとそのご家族、ケアマネージャーやその他機関のスタッフとの連携を図る必要があるため、特にコミュニケーション能力は重要です。歯に関する不安だけでなく、嚥下機能低下の不安を抱えているケースもあるため、コミュニケーションにより安心していただくのも歯科助手の役割です。外来診療で患者さまとのやり取りを多く経験していれば、そのスキルや経験を歯科訪問診療でも存分に活かせるでしょう。
外来診療と訪問診療で異なる業務
訪問診療ならではの業務
次に外来診療と訪問診療で異なる業務内容もみてみましょう。歯科助手が担当する歯科訪問診療ならではの業務としては、訪問車の運転、設備の準備と運搬、ケアマネージャーに報告する書類作成などがあります。歯科訪問診療では設備・器具の準備がとても重要です。歯科訪問診療で使用する設備・器具には、ポータブルユニットや歯科用携帯レントゲン、携帯用マイクロモーターなどがあります。携帯用の設備は外来診療では基本的に使われないので、検査や治療のサポートに差しさわりないように覚えておくことが求められます。
歯科クリニックとは違う環境
また、歯科医師や歯科衛生士の補助業務という点は同じですが、歯科クリニックとは違う環境下で治療のサポートをしないといけません。歯科クリニックよりも設備が限られることに加え、他の患者さまの訪問もあることから治療時間も限られています。そのため、歯科助手として治療の補助が確実にできるよう工夫が必要です。このように異なる点はいくつかありますが、外来経験があればスムーズに業務をこなせるようになるでしょう。