訪問診療とは、ご自宅や老人ホームのような高齢者施設で療養中の患者様に対し、医師や看護師が訪問して医療サービスを提供することです。訪問診療を行う看護師には、「医師の診療に同行する看護師」と「訪問看護ステーションからひとりで直接利用者宅へ訪問し看護する看護師」の2つに分かれており、業務内容やスケジュールについて異なります。今回は「医師の診療に同行する看護師」に絞り、看護師がどのような働き方をしているのか、1日のスケジュールをご紹介したいと思います。
訪問診療における看護師の1日のスケジュール
朝の出勤時
朝は事務所に集まり朝礼から始まります。当日の医師中心にその日のスケジュール確認のほか、最近の患者様の様子や、前日までの申し送り事項や当日の診療上の注意点について確認します。
午前訪問
朝礼を終えると、訪問に必要な物品準備をして、医師やクラークとチームを組んで午前の訪問先へ出発します。医師に同行し患者様の元へ訪問したら、計画に沿った医療サービスを提供します。訪問診療の同行看護師の主な業務としては、患者様の状況を把握し、血圧や酸素飽和濃度などのバイタルサインの測定、尿カテーテルや胃瘻の交換などを行い、医師が診療を円滑に行えるようにサポートしています。
午前の訪問をすべて終えたら、事務処理や電子カルテの入力や他業種への連絡を行います。その後はお昼休憩を取ります。仲間と一緒に外にランチにいったりすることもあります。
午後訪問
お昼休憩が終わると午後の訪問先に向かい午前と同様に医療サービスを提供します。患者様やご家族が安心して療養生活を送っていただくための心理的サポートや周囲との連携を忘れずに、療養の環境整備を行うことも看護師の大切な業務です。
午後訪問を終えたら事務所へ戻り、実施した訪問支援の記録など事務処理を済ませます。スタッフへの申し送りや翌日の訪問準備なども必要です。これらすべて終えたら勤務終了です。
訪問診療のワークライフバランスは?
訪問先では患者様に対してさまざまな支援を行い、事務所に戻った後も事務処理などの仕事がありますが、訪問診療は勤務時間が比較的明確なことから、残業も少なくライフワークバランスに優れた環境といえます。また、担当する患者様が決まっているため、患者様にしっかりと寄り添いながらケアできることも、訪問診療における看護師ならではの魅力です。