自宅で診察が受けられる医療サービスには訪問診療と往診があります。どちらも患者さまのご自宅や老人ホームなどの施設に医師が訪問するサービスであり、これによって患者さまもご家族さまも安心して診療が受けられます。一見すると同じようにも思える訪問診療と往診ですが、両者には明確な違いがあります。
訪問診療について
訪問診療は、定期的かつ計画的な診療を行えるのが特徴です。「毎週月曜日」「毎月第2・4火曜日の10時〜」といったように、具体的な日時をあらかじめ決めた上で診療や看護を行います。訪問診療の頻度は月に数回が一般的といえるでしょう。訪問診療には、第一のかかりつけ医として、在宅療養をしている患者さまの健康を守る役割があります。
往診について
一方、往診には具体的な日時指定がなく定期的な訪問も行いません。療養中の患者さまの容態が急変した場合や突発的な状況が発生した場合など、早急な対応が求められる時に訪問します。救急車を呼ぶほどではないけれど放置しておくのは危険といった状況などで、かかりつけ医にお願いして診察に来てもらうのが一般的です。
訪問診療と往診の違い

このように、定期的かつ計画的な診療を行うか否かが、訪問診療と往診の主な相違点です。訪問診療では患者さまにとって必要な医療サービスを計画的に提供するためのサポート体制が構築されているため、安定したサービスを受けることが可能です。対して往診は緊急時の対応がメインとなるため日常的なケアや健康相談には向かず、あくまで突発的なトラブルに対する対応としての側面が強いといえます。
在宅や施設で療養生活を送っている方の場合、訪問看護や訪問介護、リハビリテーションなどさまざまなサービスを組み合わせて利用されていることがほとんどです。緊急時には、訪問看護ステーションなどと連携して、24時間体制でサービスを受けることも可能となります。