訪問診療とは病院に通院できない方がお住まいの老人ホームなどの高齢者施設やご自宅に、医師と看護師が出向いて診察や治療を行うことです。健康維持と向上のために健康管理を行い、必要と判断した場合にはリハビリテーションの手配もします。訪問診療の対象者は高齢者のみと思われがちです。しかし通院できない状況にある方で、医師が訪問診療の必要性を認めれば誰でも対象となり得ます。ただ「病院に行くのが面倒だから来て欲しい」のようなケースでは対象にはなりません。
訪問診療のメリット
通院の負担軽減
訪問診療においては、通院負担軽減が最も大きなメリットといえるでしょう。患者様ひとりで通院できない場合、家族やソーシャルワーカーなど周りの方が付き添って病院へ連れていくことになります。通院は基本的に平日と土曜日の午前中ですから、その時間に合わせて周りの方々が予定を組む必要があり、時には都合を合わせるのが困難なケースも生じます。訪問診療なら無理して通院することがなくなるので周りの方々の負担が軽減されるのです。
療養に適したトータルサポート
また、患者様の生活の場に訪問して療養環境を医師が確認することで、療養に適した環境へのアドバイスを行います。治療も、点滴や投薬も高齢者施設や自宅で行えるので便利です。リハビリや介護ケアなどが必要な場合には、ケアマネジャーへの連絡を医師が行うトータルサポートが受けられることも訪問診療のメリットといえます。
訪問診療のデメリット
特殊な機器を使用する検査や手術ができない
一方で訪問診療のデメリットは、病院の特殊な機器を使っての精密検査ができないことです。特殊な機器を使用する大きな手術も、老人ホームなどの高齢者施設や自宅で行うことは困難といえます。しかしこのようなケースは頻繁に起こるものではなく、検査や手術のときだけ病院に行けば済み、大きなデメリットとはならないでしょう。