先端に小型カメラが付いた細長い管を体内に挿入して検査する内視鏡検査。「どこから入れると楽なのか」、「入れる場所によって何が違うのか」といった疑問をお持ちの方が多いと思います。内視鏡を入れる場所には、口・鼻・肛門、3つのケースがあります。
内視鏡検査の種類
上部消化管内視鏡
まず、内視鏡検査の種類として「上部消化管内視鏡」、「下部消化管内視鏡」が挙げられます。上部消化管は、食道・胃・十二指腸を指します。上部消化管内視鏡とは、口から入れる経口内視鏡や鼻から入れる経鼻内視鏡によって、これらの部位を検査するものです。「胃カメラ」と呼ばれる方法が、これにあたります。そのほか、超音波内視鏡や内視鏡的切除術などの特殊検査・治療があります。
下部消化管内視鏡
下部消化管内視鏡検査は、通称「大腸カメラ」と呼ばれるものです。大腸や直腸を検査することで、ポリープやがん、炎症など病気の診断を行います。下部消化管内視鏡検査では、肛門からカメラを入れます。大腸カメラと胃カメラは全く同じものではないものの、大腸カメラのほうが少し長く、医療機器の構造としてはよく似たものです。
経口内視鏡と経鼻内視鏡の特徴
経口内視鏡は画質と操作性の良さが特徴で、病変部の見落としが少なくなることが期待できます。また検査と同時進行で、腫瘍やポリープの切除が可能です。カメラを口から入れると、咽頭反射により息苦しさを感じる方がいますが、鎮静剤を使用することで軽減できます。その点でいうと鼻から入れる経鼻内視鏡は、カメラを挿入する際に鼻から鼻腔を通るため、咽頭反射を誘発しにくいことが利点です。ただし最新の高精度なカメラでなければ、画質の精度が劣ります。
下部消化管内視鏡の特徴
また、肛門から入れる下部消化管内視鏡については、便を調べたりバリウムを入れて撮影したりする方法と比較すると、得られる情報が多いでしょう。精度の高い検査が可能になる点で優れています。
内視鏡を入れる部位に限らず「どこを検査するのか」、「何のために検査するのか」をもとに検査方法を検討する必要があります。また、それぞれのメリット・デメリットを十分理解したうえで選択することが大切です。