ピロリ菌感染胃炎
ピロリ菌に感染してしまうと、ピロリ菌感染胃炎(萎縮性胃炎)になります。胃炎は大きく分けると急性胃炎と慢性胃炎の2種類があります。急性胃炎はアルコール、香辛料、鎮痛剤などの過剰摂取で突発的に起こるものです。それに対して、慢性胃炎はストレスや暴飲暴食も原因とされていますが、ピロリ菌に持続的に感染していることも原因のひとつで、胃の粘膜が炎症を起こしている状態です。
さらに、慢性胃炎に様々な環境因子が重なると、胃がんの原因になる場合があります。胃がんは胃の内部の粘膜細胞ががん細胞になり、増殖することが原因です。環境因子としては、喫煙や食生活、遺伝などが挙げられます。
胃炎を繰り返すなら内視鏡検査
ピロリ菌の検査
胃炎を繰り返す方、胃・十二指腸潰瘍の経験がある方、家族にピロリ菌感染者もしくは胃がん罹患者がいる方は、ピロリ菌の検査を受けた方がいいとされています。内視鏡など肉体的に辛い検査だけでなく、血中ピロリ抗体検査・便中ピロリ抗原検査・尿素呼気試験など、負担が少ない検査方法もあるので(※内視鏡検査を受けないと自費での検査となりますが)、症状がなくても胃炎を繰り返すなどの経験があれば検査を受けるほうがよいでしょう。
除菌治療
検査後、ピロリ菌感染が認められた場合は除菌治療を行います。胃酸の分泌をおさえる薬と、2種類の抗生物質の計3種の薬を服用する投薬療法で除菌ができるため、入院などの必要はありません。1週間ほど服用を続けると、約9割の方は除菌が成功します。除菌ができなかった場合は二次除菌を行いますが、二次除菌までは保険適用です。

胃の不調を感じているのにピロリ菌の除菌をしなければ慢性的な胃炎は続き、胃がんや胃潰瘍・十二指腸潰瘍になってしまう恐れがあります。その他、様々な病の原因になるといわれているピロリ菌は早めに検査と治療を行い、胃の健康を保てるようにしましょう。