病院への通院が難しい患者様の場合、ご自宅や老人ホームのような施設で定期的に医師や看護師による訪問診療で診察や治療を受ける必要があります。定期的に訪問することで、医師や看護師は健康状態や生活状況の変化に気づくことができ、病気の発症や悪化を未然に防ぐことが可能です。しかし、定期的な訪問診療をしていても、病状が急変してしまうことがあります。そのような時はどうすればいいのでしょうか。
24時間365日の往診対応
容態が急変し、訪問日以外の診療が必要になった場合には、24時間365日往診対応が可能です。訪問診療で利用する医療機関が在宅療養支援診療所として登録を受けていれば、訪問診療だけでなく緊急時の往診対応の相談ができます。在宅療養支援診療所として登録を受けるには、24時間365日体制で医師や看護師と連絡が取れること、また患者様の必要に応じていつでも往診ができることなどの基準を満たすことが必要です。
そのため、訪問日以外の日や夜間を問わず、患者様やご家族は必要に応じて往診の相談ができるのです。患者様やご家族からの電話での申告内容をもとに、医師や看護師が訪問をして適切に対処します。さらに、緊急時であれば医療機関とも連携して、検査や入院用のベッドの確保をするなどの対応も可能です。
急変時の対応
病状の急変といえば、救急車を呼ぶべきだと考える方もいらっしゃるでしょう。しかし、救急車にきてもらっても、救急隊員や搬送先にいる医師は患者様の普段の様子やこれまでの病歴、病状などがすぐにわかりません。そのため、必要な処置を判断するのにどうしても時間がかかります。電話でお話ができるような状態であったら、まずは患者様が訪問診療で利用する医療機関に連絡するほうがスムーズな対応が可能です。普段の様子を知っている医師がまず窓口になることで、往診が必要かどうか、往診をしてその場の治療だけで充分なのか、さらに救急車が必要かどうかの判断ができます。救急車が必要となっても、普段訪問診療を行う医師が間に入ることで搬送先の医師への引継ぎをスムーズに行えます。