特定保健指導とは
特定保健指導の目的や対象
特定保健指導は、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の患者様や、その予備群を減らすことを目的としています。健康経営にもつながるため、企業にとっても非常に有益な取組みとして期待されています。特定保健指導を受けられるのは、特定健診の検査結果や問診結果をもとに、生活改善が必要だと判断された40歳から74歳の方です。全国健康保険協会の都道府県支部から送付されてきた特定保健指導利用券と保険証、健診結果通知を近隣の保健指導実施機関に提示すると、患者様は健康管理のサポートを受けられます。
特定保健指導の実施者

メタボリックシンドローム患者および予備軍のリスク軽減を目的とした特定保健指導を実施するのは、専門知識を持つ医師や看護師、保健師、管理栄養士などです。メタボリックシンドロームは放置すると生活習慣病に繋がりかねませんので、生活習慣病になる前に対策を行うことが大切です。特定保健指導では、メタボリックシンドロームの改善に向けて、患者様一人ひとりの状態や環境に合わせた指導が行われます。
特定保健指導の内容
特定保健指導の内容は多岐にわたりますが、いずれも情報提供・動機付け支援・積極的支援の3つに分類できます。「情報提供」は、生活習慣を見直すきっかけを作るための軽度の保健指導です。本格的な指導が始まる一歩前の段階として体調管理や身体状態の把握に必要な情報を提供することを目的としています。「動機付け支援」は、健康状態の自覚と改善に向けて自主的な取組みを促すための保健指導です。専門医や保健師と面談にて行動計画を策定し、生活改善に向けた行動を患者様が実践できるようにします。「積極的支援」は、メタボリックシンドロームになった原因を患者様に理解してもらった上で、継続的に生活習慣改善の指導と支援を行います。指導・支援の期間は3~6ヵ月です。
コロナ禍による在宅勤務の増加や外出自粛によって、メタボリックシンドロームのリスクは年々増加しています。普段の生活の中で、患者様が生活習慣の改善が必要と自覚するきっかけはなかなかなく、改善に向けた取り組みも患者様がひとりで継続的に行うことは難しいです。特定保健指導は、生活習慣病の予防にとても重要なサポートといえるでしょう。