生活実態を把握
ご自宅や老人ホームのような高齢者施設に医師が訪問し、健康状態や病状などを見るのが訪問診療です。通院して医師に会うのが当たり前だと考える患者様やそのご家族の方の中には、今まで通り通院を続けたほうが良いのではないかと思う方もおられるかもしれませんが、訪問診療はただ単に通院が難しい方の負担を減らすことだけが目的ではありません。患者様に寄り添い、生活習慣を見ることができるという大きなメリットがあるのです。
生活習慣病(高血圧や糖尿病など)をお持ちの方が治療を続けるうえで訪問診療は効果的です。訪問先であるご自宅や老人ホームなどの施設は、患者様が普段の生活を送っている場所であるため、医師が患者様の生活実態を把握できます。その結果、生活習慣病への適切な対策が取れるようになるのです。
生活習慣病の症状
生活習慣病は、食生活、運動、喫煙、飲酒などの生活習慣の乱れなど、体質に合わない生活の持続によって起こります。主な病状としては、糖尿病、高血圧症、脂質異常症などです。こうした症状をそのままにしておくと、脳卒中や心疾患など命を脅かす病の発病につながってしまいます。
生活習慣改善のアドバイス
食生活や喫煙、飲酒などの習慣は認識していてもなかなか改善できない方が多いため、訪問診療で医師が実際に患者様の生活改善指導を行うことにより、病状の悪化や発症を未然に防止できるのです。また、医師から直接受ける生活指導がきっかけとなり、患者様自身が生活習慣を整えようという意識を持ってくださいます。住居の中や周辺の環境を踏まえ、生活習慣改善のためのアドバイスができるという点も訪問診療のメリットといえるでしょう。
通院しての診察の場合、生活習慣の現状に関しては検査による数値と患者様の自己申告に頼るほかありませんが、訪問診療を行うことにより生活実態に即して対策、対処がしやすくなります。