「訪問看護」と「訪問診療」の違い
「訪問看護」と「訪問診療」は、どちらもご自宅や高齢者施設で療養する方のもとに訪問し医療サービスを行うことです。ただし、それらは患者様にとっても、看護師の立場からしても違いがあります。
訪問看護のメリット
訪問看護とは訪問看護ステーションを拠点とし、患者様のご自宅や高齢者施設に看護師が訪問し適切なケアを行うことを指します。一方訪問診療は患者様やご家族の同意を得て、医師が週に1回や月2回など計画的に検査・診療を行うことを指します。
訪問看護では、看護師が訪問するため、入浴介助や清拭といった清潔ケアやストーマ交換などの排泄ケアを実施できます。要介護認定のある患者様の場合、介護度によってケアの内容や訪問回数、時間が決定します。訪問回数は患者様によって異なります。
訪問回数が多いと患者様の変化に気づきやすいことが大きなメリットです。わずかな変化にも気づきやすく、病気の早期発見につながります。またご家族と関わる時間も多いことから、患者様だけでなくご家族の心理的サポートをすることも可能です。
訪問診療のメリット
訪問看護に対して訪問診療では定期的に医師が訪問して診療します。通院する場合とほぼ同じような診療が受けられるため、必要に応じて採血などの検査や、内服の処方をすることが可能です。
病院医療は治療が最優先となる一方で、訪問看護や訪問診療では、患者様やご家族の意思に加えてQOLが優先されます。在宅看護における看護師の役割は、患者様が自分らしく生活し、より豊かな人生を送れるように医療的なケアを通じて支えることだと考えられます。