歯科医院開業の時期:適齢期の考え方
歯科を目指している方、勤務医として働いている方のなかには、ゆくゆくは独立して歯科医院の開業を目指す方も多いでしょう。
現在は少子高齢化により、虫歯治療で歯科医院を訪れる子どもは減少していますが、反対に高齢の患者数は増加していることから、今後も歯科医院のニーズは伸びると考えられます。
開業すれば自分の理想の歯科医院がつくれるほか、収入に上限がなくなることも大きなメリットです。では歯科医院を開業するのはいつが適齢期なのでしょうか。
開業資金とキャリア形成:開業に向けた準備と課題
歯科医院は、歯科医師免許さえあれば基本的にいつでも開業できます。ただし、設備投資のことも考えると、開業にあたっては多額の資金が必要となります。
一般的に開業資金の目安は約5,000万円といわれており、これを準備することを考えると、若いうちの開業はそう簡単ではありません。
また、独立開業するということは、歯の治療や診察だけでなく、スタッフの人材育成や医院経営にも注力しなければなりません。
そのため、勤務先の歯科医院でさまざまなキャリアを積んだうえで開業を目指すことが、結果的に近道になると考えられます。

歯科医院開業の年齢傾向と背景
実際、開業する年代の平均は40代であり、最も多いのが60代となっています。歯科医院を独立開業する年代も年々高齢化しており、70代になってから開業する人もいるほどです。
国家資格である歯科医師資格は、一度取得すれば一生有効であり更新の必要もありません。
歯科医師として働き続ける限り、生涯現役でいられることも開業の高齢化を後押ししていると考えられます。
上述の通り、開業資金やキャリア形成の問題から40代以降での開業が多くなっていますが、歯科医師としての独立を視野に入れているのであれば、早い時期から準備を始める必要があります。開業資金を貯めつつ診療スキルを磨くことはもちろん、さらなる成功につなげるためには時代のニーズにマッチした経営戦略を考えることも大切です。勤務医として従事する間も常にアンテナをはり、開業に向けた情報収集を行いましょう。