歯科訪問診療料の主な加算について
歯科の訪問診療において、最も大きな基礎となる点数が歯科訪問診療料です。歯科訪問診療料には、次のような報酬が加算できます。ここでは、主な加算を5つ取り上げます。
初診時歯科診療導入加算とは
1つ目は、「初診時歯科診療導入加算」です。これは、歯科診療を受けることが著しく困難な患者様に対して1回目の歯科訪問診療を行った場合の加算です。歯科治療環境に対して、患者様が円滑に適応できる技法を用いた場合には、初診時歯科診療導入加算として250点が加算されます。
診療時間加算とは
2つ目は、「診療時間加算」です。患者様に対する診療時間が1時間を超えた場合に加算され、30分あるいはその端数が増すごとに100点が加算されます。患者様ごとに算定する必要があるので、複数の患者様に対して歯科診療を行った場合の診療時間を合算することは不可とされています。
歯科診療特別対応加算とは
3つ目は、「歯科診療特別対応加算」です。これは、歯科診療が著しく困難と判断される患者様に対して歯科訪問診療を行ったときに加算するものです。「著しく困難」かどうかについては定義づけされているので、ケースごとに確認が必要となります。
地域医療連携体制加算とは
4つ目は、「地域医療連携体制加算」です。通院ができず歯科訪問診療が必要な患者様が安心して在宅療養等が行えるように、複数の保険医療機関によって緊急時の歯科診療ができる連携体制が整備されていることで加算できます。連携体制のために、患者様の同意を得て「診療に必要な情報」をほかの医療機関の保険医等に共有することが求められます。なお、地域医療連携体制加算の算定にあたっては、施設基準の届出も必要です。
緊急・夜間・深夜歯科訪問診療加算とは
5つ目は、「緊急・夜間・深夜歯科訪問診療加算」です。これは、厚生労働大臣が定める時間（おおむね9時〜18時までの間）において、入院中ではない患者様に対して診療に従事しているときに、緊急の要請で歯科訪問診療を行った場合に加算できます。
その他の加算報酬
上述した5つのほか、歯科訪問診療料では「在宅歯科医療推進加算」や「歯科訪問診療移行加算」、「通信画像情報活用加算」、「歯科訪問診療補助加算」の報酬が加算できます。
