訪問診療において、患者様やご家族の希望を聞き、安心できる診療を行うことはとても重要です。適切な診療を行うためには、患者様の希望だけでなく医療職の意見や判断を基に情報を収集する必要もありますので、収集ポイントのコツを把握しておきましょう。
患者様の情報収集先と必要な情報
患者様の情報収集先として、訪問看護師と訪問以前に通院していた病院などの医療機関が挙げられます。通院困難の理由を医療機関から収集し、処方している薬、処置など適切な情報を得るのは必要不可欠です。また、医療機関側も訪問看護師からの具体的な患者様の情報を必要としており、患者様に行っている治療が正しいのかフィードバックが重要となります。双方間による情報共有が行われていなければ、患者様に対し適切に対応することが難しくなります。
医療・福祉機関との連携
同時に患者様やご家族の希望に添うことも難しくなるため、患者様の望む暮らしを支援するためにも、医療や福祉などさまざまな機関との連携が重要です。患者様の身体状態・生活状態などを把握し、整理して具体的な対策を提案することで、他機関とも具体的な連携が可能になります。
歯科訪問診療の場合
歯科訪問診療を行う際は、患者様が治療に何を求めているのか、医師に何を行ってほしいのかの歯科的主訴を明確にしておくことが重要です。しかし、通院困難となった患者様については直接情報収集を行うのが難しい場合も少なくありません。その際には付き添いのご家族に話を聞き、意見を求めましょう。ただ処置を行い、状態を伝えるだけでなく、コミュニケーションを取りながら信頼関係を築いていくのが情報収集のポイントでもあります。顔を合わせて会話を繰り返しながら信頼関係を築き、情報共有を行えば、患者様やご家族の医療的ニーズに応えられます。訪問診療を行う際は、こういったコミュニケーション能力も求められ、適切な情報収集には必要不可欠な要素といっても過言ではありません。