訪問診療の対象者
医師が患者様のご自宅や老人ホームなどの高齢者施設に直接訪れて治療する訪問診療。患者様の健康状態から通院が困難であると判断された場合、訪問診療を受けることが可能となります。病気や障害による歩行困難や寝たきり、認知症や終末期ケアを自宅で行いたい方などが対象者です。訪問診療は、希望しても患者様の病状によっては利用できない場合があります。
訪問診療で受診可能な科目
訪問診療では診察や治療のほか、看護、薬の処方、療養指導、相談など、病院で一般的に行われる診療サービスのほか、病院と同様の医療サービスが受けられます。また、「診療科目によっては訪問診療をしてもらえないのでは」と心配される方もいらっしゃいますが、訪問診療では内科以外の診療にも対応しています。例えば、内科でも循環器内科、呼吸器内科といった、専門性の高い診察・治療が受けられますし、耳鼻科や眼科、整形外科、皮膚科、精神科などの科目の受診も可能です。
訪問診療の利用方法
複数の診療科に通われていた患者様の場合
これまで複数の診療科に通われていた患者様の場合、訪問診療での治療に集約できます。ただし、専門的な診療が必要だと医師が判断した場合には、各科専門の病院・専門医を紹介されることもあります。また、訪問診療を実施している病院によって対応可能な科目の範囲が異なるため、専門科を有する医院にて診察を継続したほうが良いと判断されるケースもあるでしょう。
かかりつけ医をもたない、訪問診療を受けていない患者様の場合
かかりつけ医をもたない、あるいは訪問診療を受けていない患者様の場合は訪問診療医紹介システムが利用できます。これはご自宅や老人ホームのような高齢者施設への訪問診療を希望する患者様に対し、住み慣れた場所で療養を続けていただくことを目的に訪問診療医を紹介するシステムです。訪問診療は日常的な診療や健康管理によって体調の悪化を未然に防ぐ役割も担っています。訪問診療を実施している病院やクリニックでは、訪問診療の対象者や診療科目、利用方法などを広く理解してもらえるような取組みも行っています。