内視鏡検査とは
食道、胃、大腸といった消化管を検査するために、内視鏡検査が必要になる場合があります。内視鏡検査は非常に小さながんを発見することが可能です。また、がんの疑いがある場合、確定診断をする役割もあるのでとても重要な検査です。しかし、内視鏡検査には苦しいというイメージがあり、「内視鏡検査を受けたくない」と、後ろ向きな方もいらっしゃるかもしれません。なぜ、内視鏡検査は苦しさを感じるのでしょうか。
食道・胃・十二指腸などの検査の場合
食道・胃・十二指腸などを検査する場合は口や鼻から内視鏡スコープを挿入します。内視鏡が喉を通る際に吐き気がするのは、人間の体の仕組みによるものです。私たちの体は、異物を感じると拒否するように作られています。そのため、内視鏡スコープを挿入した際、自然と吐き気をもよおすのです。これを嘔吐反射といいます。嘔吐反射に加えて、検査が怖いという緊張も重なることで、むせてしまったり、ゲップを我慢できなかったりすることもありますが、そうなると余計に検査が長引いて苦痛を感じやすくなります。
大腸の検査の場合
大腸を検査する場合には、肛門から内視鏡スコープを挿入し、患者様の体勢を変えながら内視鏡を奥まで進めていきます。身体の中を内視鏡が動くので違和感を覚えやすく、検査の際は内部が見やすいように空気で膨らませることもあり、お腹が張って苦しいと感じる患者様は多いです。
吐き気や苦しさを軽減する方法
検査中に吐き気や苦しさを感じるとつらいものです。しかし、最近では苦痛を感じにくい内視鏡検査が行われています。苦痛をやわらげるため、検査の前には喉にスプレーやゲル状の局所麻酔をします。また、鎮痛剤を投与し、意識レベルが低く眠っているような状態で検査をすることも可能です。こうした処置を事前に行うことにより、患者様がつらい思いをできるだけしないようにします。また、検査が長引くと苦しさを感じやすいため、医師が手早く検査を行うことも重要です。