救急外来診療の主な目的と役割
救急外来診療は、夜間や休日など一般的な医療機関の診察時間外に、緊急事態にある患者を診察して治療するのが主な目的です。たとえば交通事故等でけがをしたり、(病状が)急変したりして、救急車で搬送された患者が対象となります。
緊急で手術や入院が求められるなど、生命の危険が及んでいるような患者を受け入れ、専門科の医師につなぐのが、救急外来診療の役割です。
救急外来診療での診察優先順位
緊急事態にある患者が主な対象者といえるので、救急外来診療では、診察の順番は重症の外来患者および入院患者が優先されます。重症度や緊急性を考えるトリアージをふまえた優先順位により、診療や検査を進めていくのが基本です。
緊急性がないと判断される場合、応急処置しか行わないことや、薬剤処方も必要最小限に限定することも、救急外来診療の特徴として挙げられます。
救急外来診療での2つの対応
救急外来診療ではまず、診察・検査により、けがや病気の重症度を判断します。軽症だと判断されればその場では応急処置のみを行い、専門科での平日の外来予約を促すのが一般的です。生命の危険があるなど重症の場合には、その場で専門科の医師を呼び出し治療に対応します。
このように救急外来診療では、緊急性の判断と、専門科の医師へ引き継ぐための応急処置という、大きく分けて2つの対応を行なっています。
軽症の患者にとって救急外来診療は、通常の外来診療への「つなぎ」的な位置づけとなります。救急外来診療の目的はあくまでも、救急車で搬送されるような緊急事態にある患者だということです。救急外来診療は病院の時間外窓口ではなく、生命の危険にある患者を救うための場所であることを理解しておく必要があります。
かかりつけ医の重要性
誰もが安心して受診できる救急外来の維持には、かかりつけ医の存在が重要です。かかりつけ医の存在があることで、安易に救急車を呼んだり、軽症にもかかわらず夜間・休日に救急外来診療を利用したりすることが軽減できるとされています。