「2040年問題」とは
「2040年問題」って聞いたことありますか?訪問診療を検討中の方も、今なぜ訪問診療が求められるのかを知っておくとよいでしょう。「2040年問題」とは、団塊世代や団塊ジュニアの高齢化(65歳以上)といった国内における人口構造の変化により、日本の社会に新たな問題が生じることを指します。具体的な問題としては高齢者の増加と相まって医療・介護業界の人手不足となることが挙げられます。今すでに問題視されている老老介護や認認介護もさらに深刻化することが予測されます。
地域包括ケアシステムの構築
これを受けて厚生労働省では、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援を目的として可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるように、まず2025年を目途に「地域包括ケアシステム」の構築を目指しています。
地域包括ケアシステムとは
地域包括ケアシステムとは地域の包括的な支援・サービス提供体制のことです。住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体的に提供し、医療保険事業と介護保険事業の両分野から地域全体で高齢者を支えていくことを目的としています。
訪問診療が求められる理由

住み慣れた自宅で療養し人生の終末期を過ごしたいといった高齢者自身のニーズに応えるためにも、いま訪問診療が求められているのです。高齢者の場合、医療のニーズと介護のニーズを併せ持つケースが多いため高齢者を地域で支えていくためには訪問診療をはじめ、訪問看護や訪問介護、訪問リハビリテーション、訪問薬剤管理指導などの在宅医療の連携が不可欠です。さらに、各種医療サービスの提供者と行政との連携も重要となります。