求職活動をされている方は、恐らく皆さんが「働きやすい職場に就職したい」と考えていらっしゃるかと思います。
では、「働きやすい職場」とは、どんな職場でしょうか。
その答えの一つとして、私たちは働く職員一人ひとりが安心して働ける環境が何より大切だと考えています。
そして、その環境の土台となるのが、「コンプライアンス(法令遵守)」です。
医療現場で起こりがちなコンプライアンス違反とは?
医療機関におけるコンプライアンス違反には、実は「うっかりミス」や「現場の慣習」が原因となっているケースも少なくありません。
たとえば…
レセプト(診療報酬)の不適切な請求
→実際には行っていない検査を記録・請求してしまう
→医師の指示がない処置を請求してしまう
歯科助手による診療行為
→歯科衛生士の資格がないスタッフが、スケーリングや仮詰めをしてしまう(無資格者による診療行為は、医師法・歯科医師法違反に該当する可能性があります)
個人情報の取り扱いミス
→訪問先施設での何気ない会話から、患者さんの情報が漏れてしまう
→電子カルテを開いたまま、その場を離れてしまう
さらに、セクハラやパワハラなどのハラスメント問題や、ずさんな勤怠管理などの労務問題を放置することも、コンプライアンス違反となりかねません。
こうした行為が繰り返されれば、患者さまの信頼を損なうだけでなく、働くスタッフの不安やストレスの原因にもなります。
そんな環境では、長く働き続けることは難しいですよね。
コンプライアンスを「守らせるもの」ではなく「守りたくなるもの」に
私たち人事チームは、コンプライアンスを「ルールだから仕方なく守るもの」とは考えていません。“全員が安心して働けるためのルール”として捉え、前向きな意識づけを大切にしています。
・ コンプライアンス研修の実施
・ 歯科助手・衛生士の業務範囲の明確化と共有
・ 職場での困りごとを相談できる窓口の設置
・ 適切な勤怠管理
また、「起きてしまったミスを責める」のではなく、「再発を防ぐにはどうすればいいか」を皆で考える文化が根づくように日々意識しています。

働きやすさは、”当たり前が当たり前に守られる環境”から
・ 誰かの負担が大きくて、無理をさせている
・ 誰かの仕事が曖昧になっている
・ ルールが形骸化している
──そんな状態では、どんなに待遇や制度が整っていても、安心して働くことはできません。
私たちは「コンプライアンスを守ること」=「働きやすい職場をつくること」と考えています。
求職活動をされる際は、今回の記事を参考に職場の「コンプライアンス」も意識してみてはいかがでしょうか。
そして、医療職に従事するようになった際には、患者様のため、自分たちのためにも、正しく誠実な医療を提供できるよう、働きやすい職場づくりに取り組んでいきましょう。