近年、超高齢社会を迎えた日本では、通院が困難な高齢者や障がいを持つ方々の「口腔ケア」のニーズが急増し訪問歯科診療の重要性がますます高まっています。
しかし、医療法人の人事として求人を進めていても、まだ多くの方々が訪問診療の可能性に気づいていないと感じるのが現状です。
コンパスメディカルグループは設立当初の2008年より医科&歯科の連携をしながら訪問診療を実施しております。
設立から訪問診療をおこなう当法人の目線で、今回は訪問歯科診療について触れていきたいと思います。
訪問歯科診療は「特別なこと」ではなく「必要なこと」
外来診療に慣れ親しんでいると、「訪問診療は特別なスキルが必要なのでは?」と思われる方もいるかもしれません。
実際、歯科医師の面接時にはそういった話がでることもあります。
しかし、基本的な診療技術があれば、訪問診療は決してハードルが高いものではなく、むしろ患者さんの生活環境を直接見ることで、より適切な治療や口腔ケアのアドバイスが可能となります。

訪問診療のメリット
地域社会への貢献
高齢者の口腔ケアは非常に重要で、通院できない患者さんの口腔環境を改善することにより、全身の健康維持にも寄与できます。
「口腔ケアの徹底」「全身的な健康状態の把握と改善」「医科と歯科スタッフの連携強化」などで、摂食嚥下(飲み込み)、感染症対策、糖尿病や心臓病、誤嚥性肺炎の予防、栄養状態の改善にもつながり、患者様にわかりやすい医療の提供が可能です。
新たなキャリアの可能性
訪問歯科は、介護や高齢者の医療に関連する知識やスキルが求められる分野です。そのため、歯科医師として新たな専門知識を学び、それを実践することができます。
外来診療で得た知識や技術を活かしながら、高齢者向けの口腔ケア・摂食嚥下障害の管理・義歯の調整など、訪問歯科独自の技術や知識を習得することで、歯科医師としての専門性を更に高めることができます。
実際、近年のコンパスメディカルグループではレジデントの先生も訪問歯科の分野で活躍されております。
(当法人では、訪問歯科未経験の医師も安心して学んで行ける環境を整えています)
ワークライフバランスの向上
訪問歯科は一般的な歯科医院での勤務とは異なり、柔軟な働き方が可能です。
- 日曜日に休暇も取りやすく、時間外の勤務も少ないので、家庭やプライベートとの両立が可能。
- 比較的短時間で集中した診療が求められるため、長時間働き続けることが少ない。
- 診療後にリフレッシュする時間の確保もできるので、精神的・肉体的な負担が軽減できる。
勤務するクリニックや時期にもよりますが、外来診療のように「患者さまが多数訪れ、診療の忙しさや時間に追われる」ことは少なく、プレッシャーは感じにくい環境と言われます。
まとめ
ニーズの急増する訪問歯科診療は、患者様の健康維持に大きく寄与します。
訪問診療に対し「興味はあるけれど、どう始めればいいかわからない」という医師は多くいらっしゃいますが、前述のとおり歯科医師としての専門性をさらに高めながら、新たなやりがいを感じられるお仕事です。
歯科医師のキャリアの一つとして、訪問歯科診療を検討してみるのはいかがでしょうか?