訪問診療アシスタントとして最も大切だと思うことは何ですか。
コミュニケーションが最も大切だと思います。チームワーク力やチーム運営、施設様との関係性、高齢者に対する接し方等すべてがコミュニケーションで成り立つものと重要視しています。
コミュニケーションで大切にしていることは、壁を作らないこと。年上年下・高齢者のように年齢の壁を感じやすいところですが、ここがコミュニケーションの要として取っ払っていけるようにと前職から引き続き意識していることです。
具体的には、とっつきにくい方とか強面でコミュニケーションがとりづらいなと思う方には相手のことを知ろうと思うことをキーポイントとし、自分のことも知ってもらいつつ、相手のことも引き出すことで、その方の特徴が見えてくることがあります。これは施設の方や高齢者の方はじめ、色々な方に適用できるので活かしています。
施設様とのコミュニケーションを図るうえで意識していることがあれば教えてください。
気を付けているのは、自分が聞きたいことだけをズバッと一方的に質問をせず、話の流れの中で自然と聞き出すように心掛けています。特に施設様との共通の関心事となる患者様の状態はコミュニケーションを図るうえで必ず必要となってくる話題ですので、しっかり把握するようにしています。
また、笑顔でハキハキとした受け答え、挨拶は常に意識するようにしています。
訪問診療アシスタントの仕事において、最もやりがいを感じる瞬間はどんなときですか。
施設に入居されている患者様を診療場所へスムーズに誘導することができたときです。施設では患者様の入居生活や職員様のご都合など諸事情が重なり合っています。ただ診療場所に誘導すれば良いということではなく、朝から夕方まで予定している診療時間の中で、例えば診療を予定していた患者様がお風呂に入ってしまったら診療はできなくなりますが、診療を中止するわけにはいかないので、他のだれを診療しようかという状況判断とスケジュール調整を随時行いながら、隙間なく効率的に診療を終えられたときにやりがいを感じます。
また、施設から見える風景や認知症の方でも比較的答えやすい地域やご家族、以前のお仕事などのお話を投げかけながら笑顔になってもらい診療場所まで誘導できたときも嬉しい瞬間です。
患者様やご家族とのコミュニケーションの中で働きがいを感じるのはどんなことですか。
何回も訪問し、顔を覚えてもらった患者様に遠く離れたところから、私の顔を見て手を振ってくれたりすると心和みますし、この仕事をやっていて良かったと働きがいを感じる瞬間です。
そのほか、私が直接口腔ケアをしているわけではありませんが、「口腔ケアをやってもらってスッキリしたわ」と喜んでもらえると嬉しくなります。
チーム医療において、訪問診療アシスタントが果たす役割について教えてください。
医療チームと施設様と患者様をつなぐことが大前提だと思います。その潤滑油の立場でいたいです。医療チームがいかにスムーズに仕事ができるか、施設様のご要望を受け取って医療チームに共有し、ベストな答えが出せるように試行錯誤しています。例えば、急だけどこの患者様を診てほしいとか、歯が取れちゃったけどくっ付けられるのかとか、本来診療予定にない人でも施設様のご要望として真摯に受け止め、診療予定に組み込んでもらえるように歯科医師とのコミュニケーションを大切にしています。
また、施設様からの加算についてのご質問をきっかけに加算算定の勉強をし、今では施設様にその場その場で説明できるようになりました。
そのほか、突然施設様から「クレーム対応のために一日でも早く診てほしい、嚥下評価してほしい」等の急ぎのご要望をいただく場合があります。時間的にも人員的にもどうしてもお応えできかねることもありますので、このような場合の調整役としての役割も担っています。